SNSを通じ、少女が性犯罪に巻き込まれる事件が大阪府内で相次いでいる。新型コロナウイルスで休校中に被害に遭った中学生もおり、府警は自由な時間が増える夏休み中に同種の事件が起きる恐れがあるとして、注意を呼びかける啓発DVDを配るなどして警戒を強めている。
■休校中やりとり
「SNSで相手を探して、やりとりしていた」
SNSで知り合った当時中学3年の少女に2万円を渡し、大阪市内のホテルでわいせつな行為をしたとして、6月、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)容疑で元府課長の男(52)が府警に逮捕された。
捜査関係者によると、男は新型コロナウイルスの感染拡大で一斉休校となった時期にも別の複数の少女に接触した形跡があった。府警がそのうちの一人を特定して事情を聞いたところ、「コロナで学校が休みで暇だった」と話し、金銭をもらってデートなどをする「パパ活」の相手を探していたと説明したという。
■過去最多
警察庁によると、2019年にSNSを通じて犯罪に巻き込まれた18歳未満の少年・少女は2082人。前年より271人増加し、統計が残る08年以降で最多となった。罪種別では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反が1099人、青少年保護育成条例違反が844人で性犯罪が大半を占めた。
スマートフォンの普及にともない、ツイッターなどの利用者が中高生にも増えていることが背景にあるとみられている。府内でも同様の傾向があり、府警の幹部は「手軽にやりとりできる反面、悪意のある人物とも簡単につながってしまう」と指摘する。
■DVDで啓発
事態を重く見た府警は、対策を強化している。
府警は昨年12月、ツイッターで「パパ活」や「援助交際」などの書き込みに応じた人に対し、「子供の人権を著しく侵害する極めて悪質な行為です」などと返信する取り組みを始めた。事件につながる恐れのある書き込みを発見して注意を促すのが目的で、6月末までに約2200件の返信を行った。
夏休みが始まる直前の7月には、SNSの危険性を啓発するDVD約1000枚を新たに府と製作し、府内の中学や高校などに配布した。DVDでは女子生徒がSNSで知り合った男に、無理やり体を触られる被害に遭うケースがあることを紹介。人気アプリの利用者には悪意を持った大人もいることや、インターネットで知り合った人と会わないなどとする注意点をまとめた。
府警の担当者は「SNSに潜む危険性を再確認するために、ぜひとも視聴してもらいたい」と呼びかけている。
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